文学少女見習いの、卒業。

今日本屋に行って見つけたので、つい買ってしまいました。
早速読み終わったのでその感想をば。
以下感想です。
文学少女シリーズのネタばれあり。


正直、見習いシリーズが出た時、なんでこんな後日談を書くんだろう、って思いました。
私にとっては遠子先輩こそが文学少女で、遠子先輩以外には心葉の心は解きほぐせない。だから、もう心葉の物語は、これから遠子先輩と再開するまで、緩やかに続いていくだけなんだって。心葉の成長はもう終わったんだって。
だから、見習いの主人公である菜乃はあんまり好きじゃありませんでした。遠子先輩とは真逆の趣味をしているくせに遠子先輩の真似なんかして、心葉に横恋慕なんてして心葉を困らせて、なんて子だ、と。
でも、見習いシリーズの最終巻である今回の「卒業」を読み終わって、やっぱりこの見習いの物語も必要だったんだなって感じました。
遠子先輩が卒業してからの心葉は、文学少女シリーズがおわってから読者が感じたような悲しみと寂しさであふれていたから。遠子先輩は、どんなにつらくてもページをめくり続けなくちゃ、物語を進めなくちゃいけない、って教えてくれていたのに、心葉は遠子先輩の卒業で、少しだけ物語を止めてしまっていたような感じがします。
もちろん、小説家としては動き出したし、遠子先輩にいつか会えるように進んではいたけれど、それだけが目標になっていて、視野が狭くなっていたような。
その幅を広げてくれたのが、今回の見習いシリーズの主人公、菜乃だったと思いました。
遠子先輩だけを見つめるんじゃなくて、他のこともみなくちゃ、って明るく教えてくれた気がしました。
もちろん、心葉が一途に遠子先輩を想っていることに変わりはないんですが!
だから、見習いシリーズは菜乃の成長過程を描いているけれど、それと同じように心葉の成長もやっぱり描かれているんだな、と思いました。
片思いでも、菜乃は自分が幸せだったって思うことができて、安心しました。
この年末にも文学少女の挿話集が出るらしいので楽しみにしてます!
「卒業」の最後の、素晴らしい台詞で〆ようかとおもいましたが、それはさすがにネタばれすぎるのでやめておきますw