君に手が届きますように。

ずっとずっと追いかけても
もう手が届かないんじゃないかって思ってた。
もうずっと、追いつけないんじゃないかって思い始めてた。
疲れたなぁ、って。
もう、少し止まってもいいかなって。
足を止めた瞬間。
ぽん。
私の頭に、手がのせられたんだ。
見上げると、君がいた。
…何も変わってなかった。
私一人があせってて。
私一人が急いでて。
ずっと君は、隣にいてくれてたのに。
あの時から、何も変わってなかったんだ。
…よかったぁ。


…おかしいな。
視界が、ぼやける。
久しぶりだよ、こんなきもち。
こんな、全てが上手くいくような
こんな、何でも出来そうな
不思議なきもち。
でも
…大丈夫、きっと。
君が隣にいるんだから。
気持ちは、ここにあるから。
今度は手を繋いで、隣を歩きたいな
…なんてね。